このページでは株式会社のしくみをわかりやすく説明します。
株式会社とは、経営に必要なおかねを「株式」という証券を発行して集め、そのお金で事業を行っている
会社のことです。
会社の目的・種類についてや、どうして株式を発行するのか、株主や株価の意味について詳しく解説します。

株式会社って言葉をよく聞くけど、「株式」ってなに?
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会社が経営に必要なお金を集めるために発行するのが「株式」。
株式を発行する会社を株式会社っていうよ。
会社には4種類あるけど、ほとんどは株式会社なんだ。
株式会社ってどんなものなのか説明するね。
株式会社ってなんだろう?
会社ってなにをしているの?
会社は、世の中で必要とされるモノ・サービスを売ったり提供したりといった活動をしています。社会をよりよくする活動をして、利益(もうけ)を得ることが会社の目的です。
会社を作るときも活動するときも、たくさんのお金が必要です。
オフィスや工場を用意したり、モノを作るための材料を仕入れたり、働いてくれる人たちにお給料を払ったり。
こういった必要なお金を株式を発行することで集めるのが株式会社です。
会社には種類があるの?
日本の会社は4種類に分かれます。
- 株式会社
- 合名会社
- 合資会社
- 合同会社
お金を出している(会社を持っている)人と会社を経営する(主体になって活動方針を決める)人の役割のちがいで区別されます。
この中で一番多いのが株式会社で全体の9割注1を占めます。
※1 国税庁「会社標本調査結果」より
株式会社の仕組みって?
株式会社の仕組みを詳しくみていきましょう。
株式会社は必要なお金を集めるために「株式」という証券を発行します。
「会社を応援してもいいよ!」って人がその株式を買います。すると会社にお金が集まります。
株式は会社にお金を出した証明になり、株式を持っている人は「株主」と呼ばれます。
ちなみに昔は紙の株券が発行されていて、株券を持っている=株主であるという証明になっていました。
2009年に上場企業の紙の株券は廃止され、今は株主としての権利が証券会社や信託銀行の口座で管理されています。


このように会社にお金を出した株主は、その会社の持ち主になります。
そして会社にかかわる権利注2が与えられます。
※2 権利とは「してもいいこと」や「してもらえること」という意味
株主の権利ってなにができること?
株主の権利は大きく分けて2つあります。
会社の利益の一部を受け取れる権利
会社の経営成績がよかった場合、利益(もうけ)の一部を配当金という形で受け取ることができます。
ただし成績がよくない場合は、配当金が減ったりもらえなかったりする場合もあります。
会社の経営に参加する権利
株主総会とは会社に関する大事な事柄を決定する会議のことです。会社は株主に経営状況を報告し、利益をどう使うかやつぎの年の経営の方針をどうするかなどを説明する義務があります。
株主は会議に参加して質問をしたり意見を言ったりすることができます。
2つの他に、株主優待といってその会社の商品やサービスをプレゼントしてもらえる場合もあります。
株価ってなに?
株価は株の値段のことです。
株の値段は会社ごとにバラバラで、毎日上がったり下がったりします。
誰でも新聞やテレビ、パソコンで株価を見ることができます。
株価が上がったり下がったりするのはなんで?
株式はそれを買いたい人と売りたい人との間で取り引き(売り買い)されます。
その取り引きをスムーズに行える場所として「証券取引所」というところがあります。
証券取引所に上場(公開)された株式は一般の人が売り買いできるため、たくさんの人の間で取り引きされます。
もし会社に魅力を感じて「買いたい」と思う人が多ければ、株価は上がります。
逆に「応援する気になれないな」と売買が少い場合は、株価は下がります。
上場には一定の基準を満たす必要があるため、すべての株式が取り引きされるわけではありませんが、上場されている株式はより多くの人たちからお金を集めることができるのです。
株価が日々動くということは、安い金額で買って高い金額で売れた方が利益になりますね。
株主は株の値段が上がったときに売ることができればもうかり、逆に下がった状態で売れば損をします。
どうして株式を発行するの?
会社がお金を集める方法はほかにもある
会社がお金を集める方法は株式の発行だけではありません。
一般の人や会社などからお金を借りたり、金融機関からお金を借りたりする方法もあります。
株式を発行するとメリットがあるの?
ではなぜ会社は株式を発行するのでしょうか。
お金を借りた場合は必ず期限までに、借りたお金と利子(りし)という上乗せ分のお金を返さなければなりません。
でも株式で集めたお金は返す必要がありません。
会社にとってのメリットは、返す必要のないお金で事業を行えるという点です。
また財務体質(会社のお財布の状態)がよくなって、会社の信用力を上げることにもつながります。
一方、会社には責任も生まれます。
株主からお金(資金)を出してもらう代わりに、利益の一部を還元したり、会社がどんな事業を行い経営はどんな状態かを報告する必要があります。株主からの信用が下がると、株価の値段が下がるデメリットもあります。
会社を大きくするには、それだけたくさんのお金が必要です。株式の発行はメリットだけではありません。
それでも会社は利益を上げて社会に還元すること、そして社会をより豊かで便利にすることを目標に頑張っているのです。
まとめ
会社は、社会で必要とされるモノ・サービスを提供することで利益を得ている組織です。活動するためにはたくさんのお金が必要です。株式を発行することでお金を集めている会社を株式会社と呼ぶことがわかりました。
株式会社は株式の発行によってたくさんの人からお金を出してもらいながら、みんなが喜ぶモノやサービスを作り出しています。株主になった人は会社への投資によって配当金を受け取ったり経営に参加できるといった恩恵を受けられます。
身の回りにはたくさんのモノやサービスがあります。また世の中にはたくさんの株式会社があって、その活動はニュースで知ることができます。「応援したい」と思える会社を見つけることでニュースを見るのが楽しくなります。「もっと知りたい」と興味をもつきっかけにもなるかもしれませんね。ぜひ「好きな会社」を見つけてみてください。
補足 会社が成長をつづけるためには世間からの評価を上げることもが大事
「会社は自分たちの利益を欲しがるだけではなく、人や社会、地球にやさしい行動をとろう」そんな意識が近年高まっています。
「CSR(シーエスアール)」という言葉があります。
- 地域や社会に役立つ活動をする
- 働きやすい職場環境をつくる
- 環境にやさしいことをする
- 法律などの決まりごとを守る
会社がこれらを意識した活動をしているかが注目をされています。
それはなぜでしょう。
会社が信頼されなければモノやサービスを使ってもらえません。つまり会社をつづけていくためにはイメージを上げることが重要になるのです。みんながモノやサービスを使い続けてくれるために、CSRを大切にした活動が必要というわけです。
会社はCSRに取り組むために様々な工夫をしています。ぜひその工夫にも目を向けられるといいですね。